私達のスポーツアロママッサージはオイルを使いオールハンドで行う『手当て』です
そもそも『手当て』とは
昔から『手当て』とは、看護や怪我の処置をする行為で、この行為の原点である「手を当てる」ことによって多くの人が助けられ、またそこに理屈はなく、経験からも私達は知っています。「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスは、「医師たるものは医術についてのあらゆる学理とともに、マッサージも確実に修得せよ」と力説していました。
『手当て』であるスポーツアロママッサージを施すことの意義
先ずは世界から2度のオリンピック選手村の様子より
日本初の団体として、日本スポーツアロマトレーナー協会(JSTA)の7名がIOC(世界オリンピック機構)より招待を受け、オリンピック選手村でインターナショナルマッサージチームの一員として従事した約2週間。5,000人にのぼるアスリートのオイルマッサージを各国から集められた84名の施術者(マッサージセラピスト、フィジオセラピスト)が、年齢、人種、性別、競技等区別なく、オールハンドで直接選手の肌に触れるオイルマッサージを施しました。チームはプロフェッショナルとして、アスリートの要望に応えられるよう丁寧にヒアリングを行い、またマッサージの強さ、過剰な刺激とならないように慎重に施術を進めていく。
JSTAではアテネに精油/アロマ(フィトサンアローム社)を日本から潤沢に用意し、選手ごとにブレンド。自身では400名超のアスリートを担当。JSTAのスポーツアロママッサージを受けたアスリートから、施術の強さ、弱さを指摘してきた選手は一人もいませんでした。
そもそも日本国内のマッサージとは、揉み、解す、押すなどの手技療法も含めて使われている言葉です。本来、マッサージとは世界共通で滑剤を使った手技を表します。滑らかに皮膚をすべらせる目的の滑剤は、押したり、強く揉み擦るには不向きと言えます。むしろそのような手技を使うのであれば、オイルではなく衣服やタオルの上から行う手技がマッチしている。日本では古くからある指圧や整体などが得意とするところ。
芳香成分を含むスポーツアロママッサージでは、滑らかなタッチの心地よさから生まれる自律神経の調整、ストレス解消やメンタルケア。筋肉がリラックスした状態から程よい力加減からのテクニックを使い、固くこわばる筋肉を和らげ、傷んだ部位の修復に血流を促す。
施術者の手に伝わるアスリートの反応を感じながらオイルを滑らせていく。このお互いの繊細な感覚は直接手で触れることの大切さを意味する。
皮膚は第3の脳『皮脳同根』という概念
皮膚に関する数々の興味深い研究を紹介する資生堂ライフサイエンス研究センターの傳田光洋氏は、皮膚は単なる身体の外ではなく、圧力や温度、湿度を感じるだけでなく、光や音までも無意識に影響を受けている可能性があるといいます。(『WIRED』VOL.22より転載)
脳のような情報発信を行う働きが示唆されている皮膚。
これまでのマッサージの効果を考えた時に『皮脳同根』という言葉がしっくり当てはまります。人間の命の始まりである受精卵で皮膚と脳は同じルーツ(外胚葉)を持つため、深く影響しあいまた密接に繋がっていることを示した言葉です。
また皮膚は人間の最大なる臓器であり、発生から考えればむき出しの脳とも言える。そこにあえて滑らかで適度な刺激のマッサージを施すことは、心身への「手当て」となり、スポーツパフォーマンスを最大限に引き出すことに繋がる可能性が広がります。